埋もれてしまった作品。グランド・アーミー

全裸監督のシーズン2の配信が始まり、Netflix Japanの広告と、あのフレーズを再び目にして思わず心の中で、別に待ってないです。と呟いてしまった。

 


Netflix Japanよ、落ち着いてよく考えてみてほしい。なんで令和を生きる私たちが、昭和のAV監督の半生を見せられなきゃいけないのか。そういう作品たちの陰で、どれだけ沢山の作品が埋もれているのか。

 

 


とはいえこれから私が紹介したい作品が打ち切りになってしまったのには日本ではなく本国Netflixに責任があるので、全裸監督を責めるのはこれくらいにしておこう。

 

 

 

そう、日本とは比べ物にならないほど、本国Netflixの罪は大きい。今まで一体何度、私の好きな作品が無かったことにされてきたか。最近だと「ノット・オーケー」。あくまでシーズン1は序章ですみたいなストーリー構成にしておいて、シーズン2は打ち切りになってしまった。それで「オーケー」を出したネトフリ幹部に対してこちらが「ノットオーケー」ですと言いたい。まあ、この打ち切り地獄に関しては卒論のテーマにできそうなほど書けてしまうのでこのくらいにしておこう。

 

 

これから紹介する作品はNetflixオリジナルドラマ、グランド・アーミー。

 

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長ったらしい前置きの通り、この作品は制作予定だったシーズン2が打ち切りになり、現在配信中のシーズン1で終了ということになってしまった。

 


舞台は2020年、NYの高校。生徒たちは、その日も普段どおりの学校生活を送っていた。しかし突然、校舎付近の建物で大きな爆発音が起きる。混乱に包まれた学校とブルックリンの街中で、生徒たちが抱える問題が徐々に浮き彫りになっていく。

 

 

爆発事件の犯人と同じ中東系の血筋を持っていることで他人の目に過敏になり、自身のセクシュアリティを誰にも明かすことができない生徒。中国にルーツがあるのに、ユダヤ人養親に育てられたことで自分のアイデンティティを見失っている生徒。優秀でやりたいこともあるけど貧しさゆえに親に打ち明けられない生徒。当たり前のように蔓延る黒人差別に立ち向かう生徒。そして、小さなきっかけから性被害者となり、それを1人で抱え込む生徒。

 

 

 

他人からしたら大したことじゃないのかもしれないけど、自分にとっては人生を左右するほどに重たく大きくて、押しつぶされそうな悩みに立ち向かう高校生たちの物語。

 

 

2020年が舞台ということもあり、街中のラジオから聞こえてくる"新型コロナウイルス"というワードや、"I can't breathe"と叫ぶ生徒たちなど、「昨日撮影した?」ってくらいまさに"今"起こっているかのような演出が見事で、物語の世界に没入できる。

 

 

 

また賛否両論生まれそうな事件を描くことで視聴者にも問題提起しているので、見る人によって感想や思いが全く異なるものになるのも、この作品のいいところ。

 

もう続きを見ることは叶わないけれど、シーズン1だけでもかなり楽しめるし、フェミニズムがしっかり描かれていたりと色々と考えるきっかけになると思うのでたくさんの大人に見てほしい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だけど主人公ジョーイ役のオディッサ・アジオンはジェイデン・スミスの元恋人。

 

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私がこのドラマに出会ったのも、インスタにたまたま上がってきたこちらの写真で彼女に一目惚れしたのがきっかけ。(コメントでは"terrible outfit!"と書き込まれていたけど...可愛くない?)

 

この作品は打ち切りになってしまったけど、彼女の次作品にもひっそり期待中。かわいい。

 

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